ピエゾグラフとは

ちひろ美術館の作品アーカイブと「ピエゾグラフ」 ― ちひろの作品を後世に伝えていくために ―

                                                           

ちひろの作品は、その大半が、酸性紙に透明水彩絵の具で描かれていて、制作後、長いものでは75年、短いものでも50年近い歳月が経っています。ちひろ美術館は、温湿度、照度、環境の管理を厳密に行い、長年にわたって最大限の注意を払いながら、作品の保存に努めてきました。しかし、淡くやわらかな色彩の水彩画は脆弱で、時間の経過にともなう紙の劣化、絵の具の退色は避けられません。

そこで、2004年より、その時点の作品の状態をデジタル情報として記録し、保存していくアーカイブを進めてきました。同時に、そのデジタル情報をもとにして、「ピエゾグラフ」の制作を進めています。

ピエゾグラフとは、耐光性のある微小インクドットによる精巧な画像表現で、ちひろの繊細な水彩表現を高度に再現しています。光や温湿度の変化にも影響を受けにくいピエゾグラフは、ちひろ作品の公開の可能性を大きく広げました。

17年にわたるアーカイブの成果をご覧ください。

展覧会情報

2021年秋、ちひろ美術館では、みなさんが好きなちひろの絵で構成する展覧会を東京・安曇野の両館同時で開催します。 このサイトやSNSを通して届いたみなさんのメッセージ(一部)を、ちひろの絵とともに紹介します。
本展では、両館あわせて、できるだけたくさんの作品をご覧いただけるよう高精細の「ピエゾグラフ」で構成します。

※会期、タイトル、内容は予告なく変更する可能性があります。